南アフリカに中古車を輸出する6つのステップ(3)

 一月ほど前になりますが、前回は、日本側で最初に準備すべき書類について書きました。

南アフリカに中古車を輸出する6つのステップ(1)
南アフリカに中古車を輸出する6つのステップ(2)

 最初、南アの人の中には

「面倒だから、スクラップとして輸入して、後から登録すればいいんじゃない?」

と言う人がいました。一瞬、魅力的な意見でしたが、普通に考えれば、スクラップを車両として登録することなんかできるはずがありません。スクラップは車の形をしていても、あくまでスクラップです。南ア行政は、思ったよりまともに機能しています。

スクラップって、こんなのでしょ?

 そういえば、最近、タイで日本の中古車いすを爆安(3-4000円ぐらい)でさばいている業者をネット上でちらほら見ます。

 業者によれば、田舎の両親におみやげに買ってあげたい、バンコクに住む若者層が顧客の中心だそうです。ネット販売だから若者がターゲットですよね。

 しかし、スリポーンがフェースブックから直接接触しようと試みたものの、本名も所在地も最後まで明かさず、「捕まるかもしれないから」と言って逃げられました。

 話を総合すると、スクラップとして輸入して、売りさばいているようです。日本にもそれなりの協力体制がないとできないような気もするし、闇が深いんじゃないかと勝手に想像しています。

 それはともかく、今回のテーマです。

 ※改めてお断りしておきますが、以下は、私の経験(2016-17年段階の身体障害者用車両の寄付)に基づいたものです。中古車を南アフリカに輸出する際は、必ず、然るべきところに確かめながら手続きを進めてください。ルールはよく変わりますし、担当者によって運用が異なることも日常茶飯事です。
  1. 南アフリカでは中古車の輸入は原則認められていません
  2. 日本で必要な書類を整えましょう
  3. 南アフリカで書類を整えて、申請準備はいいですか?
  4. 申請にもいろんな段階があります
  5. 輸入許可が降りたら、さあ、日本を出港です
  6. 南アフリカに入港したら、終わり、ではありません

3. 南アフリカ側で用意する書類は?

 ここでは、一番最初に用意すべき書類を説明します。実は、輸入許可が下りるまでに幾つかの段階があるのですが、それぞれ提出する書類が異なります。

 船が到着してからとか、車が手元に来てからとかも、次々と書類が必要になってくるのですが、それは最後に説明します。

 なぜか、というと、この段階で全部の書類を整えても、必要になる頃には「期限切れ」という危険性があるからです。危険性、というより、ほぼ確実にそうなります。なので、慌てずに、段階を踏んでいきましょう。
 
 ここから先の手続で最も大切なことは、「断り書きがない限り、すべてPDFやコピーを提出すること」です。間違っても原本を提出してはいけません。

 輸入後に、原本が必要なシーンがあります。提出書類は返却されませんし、紛失することもあります。原本は厳重に保管して、入手したものは全部PDFを作っておきましょう。


とにかく、もらったものは全部スキャン

さて、まずは、NRCS(国家強制基準監督局)の承認状申請に必要な南アフリカ側の書類です。
  • 申請書(寄付を受け取る現地の団体名)
  • 団体の登記写し(NPO法人の場合はNPO法人の登録証)
  • 手数料の振込証明
  • 委任状(必要な場合)
  • 委任を受けたもののIDコピー(手続を誰かに委任した場合)

 申請書は、ウェブにアップロードされているので、それを使います。申請書の書式に詳しい説明も書いてあります。



 申請書を記入する上で気をつけないといけないのは、日本は、日本のメーカーが国内で製造し、国内で販売する車両については、17桁の車両識別番号(VIN: Vehicle Identification Number)を採用していない点です。ですので、その欄には車台番号(Chassis Number)である旨を断って、車台番号を書きます。


 このサイトのように、「日本においては車台番号がVINに相当する」という説明がよく見られますが、南アフリカ政府は車台番号ではなく、あくまで17桁のVINを求めているので、輸入後に南アフリカの警察署でVINを別途取得する手続が必要になります。後々の話ですが、VIN取得など警察の手続のために、まるまる1ヶ月かかることを計算に入れておきましょう。

 また、申請書には、エンジン番号を書く欄があります。日本で翻訳される車検証には、車台番号はありますが、エンジン番号は書いていないので、日本側で調べてもらって教えてもらう必要があります。

ominipot blog: 国産車のエンジン番号

 これが意外と骨が折れるようです。日本では普通必要が無いからでしょうかね。見えにくいところにあります。

今、輸入手続中の2台目のエンジン番号
番号、読めないよ (ヒューマンケア協会提供)

 手数料は1800ランド(約15000円)。事前に銀行にランド建てで振り込んで、その送金証明の写しを付けます。これは南アフリカ国内・国外どちらから送っても構いませんが、ランド建てで送ってくださいとのことです。

 現地に日本人がいない場合は、現地の受取団体が全部の手続をしますが、駐在しているのであれば、日本との書類のやり取りもあるので、こちらに委任してもらったほうが楽かもしれません。自分の場合はそうしました。

 その場合は、委任状を作りましょう。委任状もPDFで送ってOKです。

 委任された人のパスポートの写しも必要です。写しは原本と同じであることを認証する(certify) ために、最寄りの南アフリカの警察署で判子を押してもらうのをお忘れなく。

 委任されたら、申請書の署名も全部自分のもので構わなくなります。

 さあ、全部揃ったら、日本から届いた翻訳証明付きの車検証+譲渡証明書、受取先に寄付をするというレターを添えて、メールで提出です。

 メールで出すだけだと不安でしょうから、後で電話をして確認することをおすすめします。

 ここまでが、一番最初の関門となるNRCSの申請手続でした。

 実は、まだ、輸入許可までには3段階残っているのですが、慌てずに行きましょう。

 なぜか?

 それは、NRCSの審査に最大120暦日を要する、とされるからです。その間に次の書類を準備するぐらいでよいと思います。

 私の場合は、担当者の緊急入院もあり、120日を超えました。担当者は引き継ぐ余裕もなく、書類キャビネットの鍵を抱えたまま入院してしまったのです。携帯電話にかけたら、病室にいました。

 担当者も新規申請を毎月100件抱えるとのことで、そもそも120日以内に審査を終えることができないようです。

 ということで、続きの手続は、次回
 4. 申請にもいろんな段階があります 
でご紹介します。

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