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10月, 2017の投稿を表示しています

私が海外で暮らしていて心がける3つのこと

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 「途上国の生活(あるいは仕事)は大変ではないですか?」 と聞かれることがたまにあります。  タイや南アフリカが途上国かどうかは微妙なところですが、大変といえば大変。でも、慣れてしまえば「住めば都」というのも確か。なんだかんだで、バンコクやヨハネスブルグはたいていのものは手に入りますしね。  海外で暮らして7年半。いつも、3つのことに気をつけるようにしています。 伝わるように感謝を伝える  1つ目は、どんな些細なことでも、「ありがとう」を分かりやすくきちんと伝えることです。照れもあって、モゴモゴになりがちですが、ちゃんと相手を見て言うのがいいと思います。相手に伝わらないと意味がありません。 お辞儀よりも 相手の目を見て言ったほうがいいと思います  これに関連して、スミマセン、も結構使います。でも、海外の人は謝らないというイメージがありますよね(自分だけ?)。  子どものとき、アメリカで自動車事故に遭ったら謝ってはいけない。謝ったら責任を認めたことになって、莫大な損害賠償を払わされる、という話をよく聞きました。多分、そこから来ているイメージだと思うのですが、実際は、自動車事故はともかく、街を歩いていて肩がぶつかったら普通に謝ります。むしろ、東京の雑踏のほうが、ぶつかっても皆さん謝りません。  何でもかんでも、何度も謝るのは行き過ぎだと思いますが、自分に非があるなら、それを率直に認めて言葉にすることも大切だと思います。英語圏であっても、それは変わらないのではないでしょうか。 他人の土地で仕事をしていることを自覚する  2つ目は、これはベトナムで駐在員をした経験のある兄から、タイに移住する前に言われたのですが、どんな分野であれ、よその国で商売を「させてもらっている」という謙虚な気持ちを忘れないことです。  私のしているプロジェクトが、物やサービスを売ったりする事業でない分、この部分に余計に気を使うように心がけています。  売上という指標があれば、傲慢な商売をすれば「売れない」という数字で跳ね返ってきます。しかし、社会開発分野は「いいことしている」という傲慢さが知らず識らずの内に出てきてしまいがちですし、それでもプロジェクトを進めることができてしまいます。  現地の相手の人も「それはおかしい」と声を上げにくい状況

虹の国の手術室は、やはり虹でした

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 南アフリカって、どんな国? という問いに、よく聞かれる答えに 「虹の国だよ」 というのがあります。  虹の国、Rainbow Nation、とは、アパルトヘイト終了後の全人種参加の総選挙後、大統領に就任したネルソン・マンデラが1994年5月10日の就任演説で使った言葉です。そうしたことから、広く、この「虹の国」が南アフリカを象徴する表現として使われています。  We enter into a covenant that we shall build the society in which all South Africans, both black and white, will be able to walk tall, without any fear in their hearts, assured of their inalienable right to human dignity - a rainbow nation at peace with itself and the world. 私たちはひとつの契約を結んだ。黒人も白人も全ての南アフリカ人が、人間の尊厳という奪うことのできない権利が守られ、心の中に何の恐れも抱かずに、堂々と生きていける社会、つまり平和な虹の国を作るという契約を自分たち自身、そして世界と結んだのだ。 演説全文はこちらに(ペンシルバニア大学アフリカ学センター)  私が「虹の国」を実感したのは、南アフリカに住んで2年近くたった、2015年1月のときでした。  妻が出産で、入院したときのことです。いろいろあって、最終的に帝王切開になったのですが、私も手術室に入って立ち会うことができました。  手術室に入る前、麻酔医が「人によっては血を見るのが怖いから、子どもを取り上げるときに入る、っていう人もいるけど、どうする?」と聞かれたのですが、「別に最初からでいいですよ」と一緒に手術室に入りました。  帝王切開自体は滞りなく終わって、娘も最初「?」でしたがすぐに泣いて、看護師さんたちに促されて記念撮影もしました。看護師さんが「マスクを外さないと、顔が写らないじゃない」と、平気でマスクを外させたのにはびっくりしました。その間も写真の向こうでは、縫合が続いていたりするし。。。  それはさてお

南アフリカに中古車を輸出する6つのステップ(2)

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 前回は、南アフリカ政府が輸入してもいいよ、と言ってくれる中古車の種類について書きました。 南アフリカに中古車を輸出する6つのステップ(1)  前回書き忘れたことがひとつあります。それは、ITACの寄贈車両に関する質問表では、寄贈される中古車は、「製造後10年以内」でないといけない、とされている点です。  この点が、私のプロジェクトでもネックになりました。10年経っていないリフト車を寄贈してくれる団体さんや施設さんはなかなか、というか、まずありません。  そこで、ITAC(南アフリカ国際貿易管理委員会)に相談してみました。最初は「10年」「10年」と連呼していたのですが、事情を話すと、最終的には、前回書いたように 南ア基準に適合しているかどうかの審査は、ITACではなくて、NRCS(南アフリカ国家強制基準監督局)が行うから、そっちに行って聞いてみてほしい という答えが返ってきました。   あれ? あなたのガイドラインには太字でダメと書いてあったのに、例外があったんですね?  なにはともあれ、NRCSがいいと言えばいいらしいです。結果から言うと、 製造後14年の車を無事に輸入できました (今後、これダメだから捨てて、って言われる可能性はゼロではありませんが、常識的に考えてありえないでしょう)。  車両登録とかを専門に請け負う業者さんとも話をしたのですが、トヨタとか日産とかいった日本のメーカーで、日本の車検をきちんとクリアしている車は、心配しなくていいと言っていました。そうでない、「これはスクラップですか?」とか、「どこから来たの?」とか言いたくなるような車が問題になるのだとか。  …さて、今回のテーマです。   ※改めてお断りしておきますが、以下は、私の経験(2016-17年段階の身体障害者用車両の寄付)に基づいたものです。中古車を南アフリカに輸出する際は、必ず、然るべきところに確かめながら手続きを進めてください。ルールはよく変わりますし、担当者によって運用が異なることも日常茶飯事です。 南アフリカでは中古車の輸入は原則認められていません 日本で必要な書類を整えましょう 南アフリカで書類を整えて、申請準備はいいですか? 申請にもいろんな段階があります 輸入許可が降りたら、さあ、日本を出港です

南アフリカに中古車を輸出する6つのステップ(1)

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 あざとく、ノウハウ調にタイトルを書いてみました。   が、やはりマニアックなので、これをグーグルで拾う人もいないでしょう(笑)  日本からの視点で、「輸出」と書きましたが、輸出はそんなに難しくありません。業者を頼んで、お金を払ったらやってくれます。   問題は、南アで「輸入」する方です。 これが準備できていないと、業者も日本から運んでくれません。輸入できずにごみになるものを船に積んでくれるようなお人好しはいないでしょう。 中古車は運ぶけど、ゴミは運ばないよ  ということで、ここからは、南アフリカの中古車輸入手続について書いていきます。 ※予め断っておきますが、以下は、私の経験(2016-17年段階の身体障害者用車両の寄付)に基づいたものです。中古車を南アフリカに輸出する際は、必ず、然るべきところに確かめながら手続きを進めてください。ルールはよく変わりますし、担当者によって運用が異なることも日常茶飯事です。 南アフリカでは中古車の輸入は原則認められていません 日本で必要な書類を整えましょう 南アフリカで書類を整えて、申請準備はいいですか? 申請にもいろんな段階があります 輸入許可が降りたら、さあ、日本を出港です 南アフリカに入港したら、終わり、ではありません 1.南アフリカでは中古車輸入はできるの?  南アフリカでは、安全性確保や現地の自動車産業保護の観点から、商用・再販目的の中古車の輸入を禁止しています。  あ、じゃあ、無理じゃん。そう思ったあなた。例外はどこにでもあるものです。  公式に発表されている「例外」はこちらです。 (個人で使用する車両) 移住者(永住権保持者)が個人用の乗用車や小型トラックを輸入する場合 南アフリカ居住者・国籍保有者が海外で使っていた乗用車や小型トラックを、帰国時に持ち帰る場合 身体障害者用の車両で、使用する者に合わせて特別にデザインされたものを輸入する場合 相続した車両を輸入する場合 40年以上経過したビンテージ・カーや、国際的に認知されているコレクションとしての車両を輸入する場合 レーシングカーをレーサーが輸入する場合 (その他の車両) 南アフリカで入手できない、特別な仕様の車両(クレーンが例示されています)を輸入する場合  ま