ヨハネスのタイ寺院のバリアフリー化と私たち

 あけましておめでとうございます。
 本年もよろしくお願いいたします。

 今年はもう少し、更新ペースを上げていきたいところです。ちょっとしたことでもポツポツ掲載していきたいと思います。

 2019年最初は、ヨハネスブルグの中心部からプレトリア方面に行った、ミッドランドという場所にあるタイの仏教寺院をご紹介します。

 南アフリカには日本人が1500人いるとか言われていますが、タイ人はなんと2~3万人も暮らしています。ただ、中華街のような塊を形成しているわけではなく、南ア人と結婚していたり、自分でタイマッサージ店やタイ料理屋といったビジネスを展開していたり、あるいは工事現場などに出稼ぎに来ていたりと様々な場所で活躍しています。

 タイ人の多くは仏教徒ですから、これだけ多く集まると寺院を求める人もそれなりに出てくるわけです。そうしたわけで、南アフリカにはヨハネスブルグに1ヶ所、ケープタウンに1ヶ所合計2ヶ所のタイ仏教寺院があります。最近、ヨハネスブルグの中華街そばにもう1つできたように聞いていますが、まだ行ったことがありません。

 ヨハネス、ケープタウンの2ヶ所とも、「タンマガーイ」と呼ばれる寺院です。

 タンマガーイをググると、日本に10ほどのタンマガーイ寺院があることがわかります。それと同時に、検察の捜査が入っただのタクシン派と関係が深いだのといろいろと世間を騒がせているのもわかります。

 ざっくりと特徴を言うと、瞑想を世界に広めようと努力していたり(瞑想法は他のタイ仏教寺院とは異なるそうです)、高学歴・高所得者の支持が広かったり、タイ・パトゥムタニにある本院はバカでかかったり、というところでしょうか。

参考:Tripull「話題の宗教組織【タイ国タンマガーイ寺院】へと訪れてみた」

 ヨハネスブルグのタンマガーイ寺院も、自営業者や割と裕福そうな南ア人と結婚したタイ人女性など、ややお金に余裕のある人がよく集まっているイメージがあります。唯一のタイ寺院なので、大きな行事のときは大使夫妻が来ることもあるし、逆に大使館のイベントにお坊さんが出向いたりすることもあります。

 以前は「ヨハネスブルグ瞑想センター」として、瞑想法を広めることに主眼が置かれていましたが、最近はタンマガーイ寺院と名乗るようになりました。

以前は瞑想センターの看板だった

 ところで「寺院」と書いていますが、タイっぽいデザインのお寺があるわけではなく、敷地にもともとあった建物を活用しています。最近、隣の物件も取得し、塀を壊して2つの物件をつなげました。

 さて、隣の物件が手に入るまで、瞑想や儀式のたぐいは、建物の2階で行われていました。エレベータなんてものはありませんでしたから、下の写真の急階段を登るしかなかったわけです。

1階は事務所で2階が集会場だった

 スリポーンが行っても、車いすでは上には上がれないので、儀式が終わるまで下でダラダラ待つことになっていました。

 隣の物件が手に入ったのが2年半ほど前だったでしょうか。お坊さんが宮本に嬉しそうにこれからは1階で行事ができるから、と説明してくれたのを覚えています。

 つい最近改装が終わり、お正月の行事はこの新しい建物で行われました。手に入れたときは何段か大きな段があったのですが、下の写真のようにスロープになっていました。

新しい集会所の入口


  私たちがこの寺院に行くようになってから、5年ほどになります。そんなに熱心に通うわけではないのですが、タイ人コミュニティの拠点のひとつであるこの場所で、いろんな人たちと出会うことができました。

 車いすに乗っている、というだけではなく、ソウェトで障害者関連のプロジェクトをしているとか、在南ア・タイ人にとってはこの2人は常識外だったに違いありません。最初はみんな戸惑いが多かったと思います。

 それでも、3年前にはタイの本院から来たお坊さんがソウェトを訪問して、物品の寄贈をいただいたり、大使をご紹介いただいたりと、お坊さんだけでなく、寺院をボランティアで手伝っているタイ人たちも含め、少しずつ関係を作ってきました。

タイのお寺でファンドレイジング(2014年)

2015年7月、ソウェト訪問(福祉工場視察)

 今回、新しい集会場を整備するに当たって、入り口の段差がなくなった(本当は1段だけ残っているけど)のは、たまたまではなくて、こうやって何年かかけて作ってきた人間関係の延長にあるものだと思います。いろいろとありがとうございます。


 


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