南アフリカに中古車を輸出する6つのステップ(1)

 あざとく、ノウハウ調にタイトルを書いてみました。

 が、やはりマニアックなので、これをグーグルで拾う人もいないでしょう(笑)

 日本からの視点で、「輸出」と書きましたが、輸出はそんなに難しくありません。業者を頼んで、お金を払ったらやってくれます。

 問題は、南アで「輸入」する方です。これが準備できていないと、業者も日本から運んでくれません。輸入できずにごみになるものを船に積んでくれるようなお人好しはいないでしょう。

船のキャラクター
中古車は運ぶけど、ゴミは運ばないよ

 ということで、ここからは、南アフリカの中古車輸入手続について書いていきます。

※予め断っておきますが、以下は、私の経験(2016-17年段階の身体障害者用車両の寄付)に基づいたものです。中古車を南アフリカに輸出する際は、必ず、然るべきところに確かめながら手続きを進めてください。ルールはよく変わりますし、担当者によって運用が異なることも日常茶飯事です。
  1. 南アフリカでは中古車の輸入は原則認められていません
  2. 日本で必要な書類を整えましょう
  3. 南アフリカで書類を整えて、申請準備はいいですか?
  4. 申請にもいろんな段階があります
  5. 輸入許可が降りたら、さあ、日本を出港です
  6. 南アフリカに入港したら、終わり、ではありません

1.南アフリカでは中古車輸入はできるの?

 南アフリカでは、安全性確保や現地の自動車産業保護の観点から、商用・再販目的の中古車の輸入を禁止しています。

 あ、じゃあ、無理じゃん。そう思ったあなた。例外はどこにでもあるものです。

 公式に発表されている「例外」はこちらです。

(個人で使用する車両)
  • 移住者(永住権保持者)が個人用の乗用車や小型トラックを輸入する場合
  • 南アフリカ居住者・国籍保有者が海外で使っていた乗用車や小型トラックを、帰国時に持ち帰る場合
  • 身体障害者用の車両で、使用する者に合わせて特別にデザインされたものを輸入する場合
  • 相続した車両を輸入する場合
  • 40年以上経過したビンテージ・カーや、国際的に認知されているコレクションとしての車両を輸入する場合
  • レーシングカーをレーサーが輸入する場合
(その他の車両)
  • 南アフリカで入手できない、特別な仕様の車両(クレーンが例示されています)を輸入する場合
 まずは、この中のどれに当てはまるかを考えましょう。しかし、自分で「これかな?」と思っても、勝手に思い込んで準備を始めてしまわないことが大切です。

 所管している役所は、ITAC(International Trade Administration Commission: 南アフリカ国際貿易管理委員会)になります。まずは、ここに聞きましょう。

中古自動車の現地輸入規則および留意点(JETRO)
ITAC: IE Guidelines Importation of Used or Second-hand Vehicles (2015年2月版)

 私の場合は、もちろん「身体障害者用の車両」に当てはまるだろうと考えて、ITACの担当者にメールしました。担当者間をたらい回しにされて、やっとたどり着いた答えが、
  • 身体障害者向けの車両を輸入する、というのはわかった。車両がすでに改造されている(リフトが付いている)のもわかった。
  • しかし、ITACでは車両が南アフリカの基準に適合しているかも、その車が身体障害者向けかどうかも、判断できない
  • 基準適合については、NRCS(National Regulator for Compulsory Specifications: 国家強制基準監督局)の審査を受けて、承認状をもらってこないといけない
  • 身体障害者向けかどうかについては、NCPPDSA(National Council on Persons with Physical Disabilities South Africa: 南アフリカ身体障害者協議会)に問い合わせてほしい

 …要するに、最初に別の所行ってきてくれ、ということですね。はい。

 NRCSは、ウェブサイトから、NCPPDSAは担当の方から要綱をいただいて、さて、書類の準備にかかりはじめたわけですが、実は、この段階でのボタンの掛け違いが、1年後、土壇場でドラマを生むことになるのです。

 いったい、何を間違えていたのか?



 2. 日本で必要な書類を整えましょう に続く
 

※ これも、前提としておかねばならないことですが、南アフリカの役所とのやり取りは、我慢強さと押しの強さが必要です。何度もメールを再送する必要があります。電話しても出ないとか、いないとか、下手をするとガチャ切りされます。
 
 一番いいのは、その担当者の携帯電話の番号をもらうことです(そこにたどり着くまでが面倒なのですが)。他にも、アポ無しで押しかけて粘るとか、連日リマインドのメールを、なるべく多く(できれば担当者の上司)のccを付けて送るとか(嫌がらせ?)、いろいろと技(力押し?)が必要になります。

 あと、不在中引き継ぐ、ということがあまりないようで、突如、書類の入ったキャビネットの鍵を持ったまま入院されてしまった、ということもありました。そうなると「お大事に」と待つしかありません。

 他にも、クリスマス、イースターなどの長期休暇や、やっと出てきた書類に誤植があって使えないとか、罠がたくさん待ち構えているのが、南アフリカの役所です。

  


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