南アフリカ、4月から社会手当引き上げ 障害手当は5.9%増

 南アフリカは、日本と同じで3月末が年度末です。ですので、いろんなことが4月から変わります。

 社会手当の額が変わるのもこの時期です。

 SASSA(南アフリカ社会保障庁)の2月速報値によれば、社会手当受給者総数は1745万人強。全人口が5600万人ほどなので、単純計算で30%あまりの人が何らかの手当をもらっていることになります。政府は2020年までに、社会手当受給者を1810万人まで増やす計画です。

 世帯単位で考えると、文献にもよりますが、40%ほどの世帯で手当を誰かがもらっているという人もいれば、60%という人もいます。手当の額はそんなに多くはないのですが、多くの世帯にとって基礎的な収入になっているのは間違いないでしょう。

 これも文献によって評価はまちまちですが、概ね、最低限の生活を維持するためには貢献しているが、不平等の改善はこれでは達成し得ないという論調だと言っていいのではないかと思います。究極的な不平等の改善には、教育や医療・保健の改善や産業育成などの長期的な社会構造の調整を通した雇用状況の改善、といったオーソドックスな手段が有効といったところでしょうか。

 
どの手当もそこそこ増額されていますが。。。

 さて、障害手当ですが、4月から月額1600ランドが1695ランド(金曜日のレートで約15,300円)に引き上げられます。5.9%増ですね。

 政府の説明では、VAT(付加価値税)が4月から1ポイント上がって15%になるのを含んだため、これまでと比べて引き上げ幅が大きくなったと説明しています。

 しかし、インフレ率を考えると、今年度後半のインフレ率は低下傾向にありますが(1月時の消費者物価は前年同月比で4.4%)、手当額が5.9%増するとは言え、実質横ばいと見るのが人々の実感ではないかとも思います。



 
 

 

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