2018年度マトリック(高校卒業試験)2名の視覚障害生徒が成績優秀で表彰

試験会場へ向かう学生のイラスト


 南アフリカには、「マトリック(Matric)」と呼ばれる高校卒業試験があります。

 12学年に達した高校生全員が受験するのですが、これに通らないと高校を卒業したことになりません。同時に、日本で言うセンター試験のような役割も果たしており、高校以降のキャリアにも大きな影響を与えるテストです。大学に行きたい人は、ただマトリックをパスすればいいのではなく、優秀な成績が求められます。

 マトリックは、毎年、地元紙に合格者一覧が小さい字で載ったりする大イベントです。公立・私立を問わず、多くの高校校がマトリックの合格率や成績優秀者をことさらのように宣伝します。学校だけでなく、州や自治体単位でも合格率は教育行政の成果として注目の的となります。

 当然、合格率を上げようと皆やっきになるわけですが、中退者を事前に多く出すことで合格率を不正に上げているという指摘が毎年のように(特に野党から)なされています。他にも、合格水準が低すぎて産業界の要請にマッチしていないとか、そんな意見もあります。

 いろいろありますが、南アフリカの子どもたちにとっては自分の未来を左右する一大行事。その成果が発表になったというニュースです。

 1月3日に基礎教育大臣主催の食事会が開かれ、29名の生徒が全国成績優秀者として表彰されました。その中に、プレトリアにあるプリンショフ弱視・盲特別支援学校から、モンゲジ・ムバタ(Mongezi Mbatha)とローワン・クラフォード(Rowan Crafford)の2名の生徒が入りました。

 メディアによれば、2人共プレトリア大学に進学する予定で、ひとりは情報学、もうひとりは語学を学びたいと話しています。

IOL News "#MatricResults2018: Visually impaired Mongezi and Rowan stand tall amongst top achievers" (英語・2人の写真も)

 ちなみに今年度の受験生は昨年より7200名ほど多い、796,542名でした。おめでとうございます。



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